主犯格の渡辺容疑者、暴行事件でも訴追 フィリピン司法省

フィリピン・マニラの入管収容施設=26日(共同)
フィリピン・マニラの入管収容施設=26日(共同)

【マニラ=森浩】全国で相次いで発生している強盗事件を巡り、犯行の指示役とされる日本人特殊詐欺グループのメンバー4人を拘束しているフィリピン司法省のクラバノ報道官が28日、産経新聞の取材に応じた。リーダー格とされる渡辺優樹容疑者が女性への暴行罪で訴追されていると明らかにした。暴行罪での公判開始時期は未定で、日本への身柄引き渡しに影響する可能性がある。

4人を巡っては、特殊詐欺事件などに関わった疑いで警視庁が逮捕状を取っている。4人のうち、少なくとも渡辺容疑者と今村磨人(きよと)容疑者は首都マニラ近郊のビクタン収容施設内で拘束されている。現地捜査関係者によると、渡辺容疑者が数カ国をまたぐ犯罪組織の「ビッグボス」で、他の3人よりも格が上だという。

クラバノ氏によると、4人の身柄について、日本側との正式な引き渡しの交渉は始まっていないという。一般的に引き渡しの手続きには最低30日はかかるが、クラバノ氏は「日本側との交渉には迅速に応じたい」と述べた。ただ、渡辺容疑者については暴行事件での審理が正式に始まれば、日本への送還が後ろ倒しとなる可能性がある。

一連の強盗事件では「ルフィ」を名乗る人物が管理が緩い収容施設内で通信機器を入手し、犯行を指示していたとされる。クラバノ氏は「今後は厳しく監視し、(発見し次第)機器を没収する措置を取った」と明らかにした。

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