メディアアーティストの落合陽一さんが3Dカメラで、かつての遊郭の面影を今に伝える飛田新地(大阪市西成区)を記録しています。
落合さんが使用するのは「マターポート」と呼ばれる3Dカメラで、360度に広がる風景を6回に分けて撮影します。
撮影したデータはスマホなどに転送、クラウド化して、パノラマ画像を作成します。さらに複数のパノラマ画像を合成して3D映像が完成します。
撮影は飛田新地が営業を終えた午前0時すぎから始まります。3Dカメラを三脚にセットした落合さんは、通りを数メートル毎に撮影して、データを収集していきます。
周囲がすべて写り込むためスタッフや関係者は物陰などに隠れて撮影を見守ります。
新地にある料亭も撮影対象で、まず玄関を撮影して廊下、階段、2階の個室と順番に撮影します。料亭1軒につき20~30分が必要です。
広大な敷地を持つ飛田新地は、撮影にも時間を要します。1回目は昨年12月19日に行われ、これまでに3回の取材がありました。
完成したデータの一部はデジタル加工を施し、1月28日から2月13日まで開催される「Study:大阪関西国際芸術祭2023」に展示されています。
会場となる飛田会館には、300センチ×50センチのLEDパネルが設置され、AIによって生み出された動画が視聴できます。
「飛田は撮ってはいけない場所でもある。街としての記録がほとんど残っていない。きちんと記録して残す必要がある」と話す落合さん。今後も飛田新地の撮影を続けていくそうです。
遊郭の面影残す飛田新地を3D映像に メディアアーティストの落合陽一氏 関西芸術祭で作品展示へ