前例ない盾形銅鏡出土の富雄丸山古墳 現場公開に考古学ファン1400人

一般公開された富雄丸山古墳の発掘調査現場=28日午後、奈良県奈良市(南雲都撮影)
一般公開された富雄丸山古墳の発掘調査現場=28日午後、奈良県奈良市(南雲都撮影)

前例のない「鼉龍(だりゅう)文盾形銅鏡」と「蛇行(だこう)剣」が出土した奈良市の富雄丸山(とみおまるやま)古墳(4世紀後半)で28日、発掘調査現場の一般公開が行われ、考古学ファンら約1400人が訪れた。

同古墳は直径約109メートルで国内最大の円墳。鼉龍文盾形銅鏡は精緻な文様が施された盾形の銅鏡、蛇行剣は長さ237センチに及ぶ国内最大の鉄剣で、古墳時代前期の金属器として国宝級の傑作と評価された。

一般公開には、画期的な発見の現場を見ようと同市内外からファンらが多数参加。2点が出土したのは、墳丘北東部分から張り出した「造り出し」で見つかった埋葬施設「粘土槨(かく)」で、周辺から興味深そうに見学していた。

兵庫県西宮市から訪れた雲井奈生子さん(45)は「まさか造り出しから長大な蛇行剣と盾形の鏡が出土するとは思わず、ニュースにもなり感激。ここのすごさが改めて分かりました」と話していた。

発掘調査現場は29日午前10時~午後3時にも公開される。盾形銅鏡と蛇行剣は保存処理中のため公開されない。

会員限定記事会員サービス詳細