ウクライナ支援「アップグレードが必要」とEU高官

27日、会見するEU欧州対外活動庁のサニーノ事務総長=東京都内(宮下日出男撮影)
27日、会見するEU欧州対外活動庁のサニーノ事務総長=東京都内(宮下日出男撮影)

欧州連合(EU)欧州対外活動庁(外務省に相当)のサニーノ事務総長が27日、産経新聞などと都内で会見した。欧米諸国によるウクライナへの主力戦車の供与決定について、ロシアが短期間のうちに大規模な攻撃に出る可能性があり、「ウクライナへの支援をアップグレードする必要があった」と強調した。

サニーノ氏は、ロシア側が当初、ゼレンスキー政権の転覆を念頭にしたウクライナの「非ナチ化」を侵攻目的としたが、今では「欧米と北大西洋条約機構(NATO)に対する戦争」とみなしているとの認識を表明。ロシアの態度に「極めて重大な変化」が生じ、攻撃規模の増大が予想される中、ウクライナ支援の強化で「情勢を再均衡させる必要がある」と述べた。

ロシアが欧米の主力戦車供与への報復として核兵器を使用する可能性については、「国際社会全体がその選択肢に反対しており、問題が再び持ち上がることはない」と強調。中国を含む国際社会の反対姿勢がロシアへの圧力になっているとの見方を示した。

日本のウクライナ対応については、同国だけでなく「ルールに基づく国際秩序を守る」視点から取り組んでいることを「賢明だ」と評価。日本が議長国を務める先進7カ国(G7)として、物価上昇などウクライナ侵略の影響を受ける脆弱(ぜいじゃく)な国々への対処でも協調していく必要性を語った。

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