ピーチの機内ふるさと納税、新たに泉佐野市など5市で実証実験

5市が機内ふるさと納税で提供する返礼品(ピーチ・アビエーション提供)
5市が機内ふるさと納税で提供する返礼品(ピーチ・アビエーション提供)

関西国際空港などを拠点とする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションと大阪府泉佐野市など5市が27日、同社の国内線全31路線で「機内ふるさと納税」の実用化に向けて実証実験を開始した。3月末まで。機内ふるさと納税は昨年11~12月にピーチと京都府京丹後市が国内で初めて実施したが、新たに4市が加わって取り組みを拡大。返礼品を通じて地域の魅力をPRし、観光客誘致につなげる。

参加するのは京丹後市、泉佐野市に加えて、愛知県小牧市、和歌山県有田市、大分県佐伯市。

機内ふるさと納税の実証実験を始めたピーチ・アビエーションの森健明CEO(左から3人目)ら=27日、大阪市天王寺区
機内ふるさと納税の実証実験を始めたピーチ・アビエーションの森健明CEO(左から3人目)ら=27日、大阪市天王寺区

機内ふるさと納税は、ピーチが機内販売などに使っているデジタルサービスを活用。旅客がスマートフォンやタブレット端末から各市の機内ふるさと納税のページに入り、クレジットカードで納税して返礼品を選択する。返礼品は納税先の地場産品で、泉佐野市なら牛ハラミ肉、泉州野菜セット、市内宿泊の旅行クーポンなど。

ふるさと納税を巡っては、肉や米など人気の地場産品を返礼品にできる自治体に寄付が集中する傾向があり、「ふるさと納税のインターネットサイトに返礼品を出しても目にとまりにくい」との悩みを多くの自治体が抱えているという。

5市は航空機の旅客にふるさと納税を呼びかけることで、寄付額を増やすとともに、返礼品を通じて地域を知ってもらい、次の旅行先に選んでもらえることを期待。大阪市内での記者会見で、泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長は「旅行に意欲的なピーチの旅客に地域の魅力を発信できる」と述べた。

ピーチとしても、観光需要を喚起して旅客を増やす効果が見込める。同社の森健明最高経営責任者(CEO)は「京丹後市と始めた取り組みを、さらにしっかりとしたプロジェクトとして進めることにした。関心を持ってもらえる全国の自治体と連携していきたい」と語った。(牛島要平)


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