「やられっぱなし」全日本卓球、前回女王の伊藤8強逃す

女子シングルス6回戦で横井咲桜(左)に敗れた伊藤美誠=東京体育館
女子シングルス6回戦で横井咲桜(左)に敗れた伊藤美誠=東京体育館

思わぬ展開に場内がどよめいた。27日に行われた卓球の全日本選手権。女子シングルスで前回覇者の伊藤美誠(スターツ)が、1回戦から勝ち上がった横井咲桜(大阪・四天王寺高)に6回戦で敗れ、8強を前に姿を消した。この種目の東京五輪銅メダリストは「悪い展開ではなかったが、相手にやられっぱなしだった」とうなだれた。

前回大会を棄権した横井はレシーブ力が高く、高校1年だった前々回も8強入りしている実力者。初対戦だった伊藤は、変幻自在のサーブで崩して攻撃に転じる得意の形に持ち込めず、立て続けに3ゲームを奪われた。第4ゲームは8-9から逆転で奪い、第5ゲームも2-7から同点に持ち込む執念を見せたが、最後はスマッシュを外して万事休した。「対応力が私は低い。思い切りのよさも相手の方があった」と横井をたたえた。

10日までカタールで世界選手権の予選を戦った過密日程の影響もあり、体は悲鳴を上げていた。詳細は明かさなかったが「痛めているところがある」といい、鎮痛剤を服用して大会に臨んだことも明かした。手負いの女王は5連覇の懸かる早田との女子ダブルスに気持ちを切り替え、「明日頑張ります」と決意を口にした。(奥村信哉)

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