3月18日に甲子園球場で開幕する予定の第95回選抜高校野球大会の出場36校が27日、決まった。前回大会の東海地区選考で、秋季大会準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が漏れ、ベスト4の大垣日大(岐阜)が選ばれて物議を醸したが、今回は「逆転現象」はなく、ほぼ秋の成績通りの選出となった。
今回の選考は打力重視と地域性への慎重さが目立った。注目された近畿最後の7校目は社(やしろ、兵庫)が選ばれる一方、高田商(奈良)は落選し、同じ地区8強で明暗を分けた。選考理由は「(1回戦で)奈良1位の天理に打ち勝った(13-7)ことを評価した」と説明された。高田商が1回戦で京都1位の乙訓(おとくに)に零封勝ち(1-0)したことへの言及はなかった。高田商は2回戦で龍谷大平安(京都)に0-5で敗れ、2試合で1得点だったことがマイナスに働いたと見られる。
横浜(神奈川)は関東5校目で作新学院(栃木)、関東・東京地区7校目で二松学舎大付(東京)と争い、選出されなかった。横浜は「(関東大会の)2試合で4点と打線が振るわなかった」との評価で、総合力で差がついたとされた。
近畿は大阪、兵庫が2校ずつに対して奈良はゼロ。昨年の選考をめぐる議論を受けて制定された「選考ガイドライン」では、地域性は複数校の評価が並んだ場合に考慮されるとある。社と高田商については「実力の比較で社」と説明され、地域性以前の問題とした。
夏春連覇を目指す仙台育英は「甲子園経験者が順調に育ち、連覇も可能」、春連覇を狙う大阪桐蔭については「総合力が高く、活躍が期待される」と高い評価を受けた。(鮫島敬三)