米、露ワグネルを犯罪組織指定 衛星画像提供の中国企業も制裁

26日、ロシアの攻撃後、ウクライナ・キーウ郊外で壊れた家屋近くのくぼみのそばに立つ女性(AP=共同)
26日、ロシアの攻撃後、ウクライナ・キーウ郊外で壊れた家屋近くのくぼみのそばに立つ女性(AP=共同)

【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米政権は26日、ウクライナへの侵略を続けるロシアに軍事要員を派遣している露民間軍事会社ワグネルを国際犯罪組織に指定し、ワグネルに関連するロシアや中国などの複数の団体や個人を制裁対象に加えたと発表した。米国内の資産が凍結されて、米国人との取引が不可能になる。

侵略の長期化に伴う兵力の消耗で、ロシアのプーチン政権は、ワグネルへの依存を強めている。イエレン米財務長官は声明で「国際的連携による制裁や輸出規制を受けた露政府は、野蛮なワグネルに頼るなど兵器や支援を必死に探し求めている」とし、同社への圧力を強めると強調した。

米財務省によると制裁対象は8個人、16の企業・団体など。ウクライナ上空からの衛星画像を露側に提供していた中国の宇宙関連企業も含まれた。画像はウクライナにおけるワグネルの部隊の作戦に使用されたとしている。

ワグネルはプーチン大統領と近い新興財閥のプリゴジン氏が創設した。部隊は激戦が続くウクライナ東部ドネツク州の戦闘に参加。プリゴジン氏は今月中旬、ワグネルの部隊が同州バムフト近郊のソレダルを制圧したと主張していた。

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