全国で相次いで発生している強盗事件に絡み、日本の警察当局がフィリピンの入管施設に収容されている特殊詐欺グループの日本人の男4人について、日本への身柄の引き渡しを現地当局に求めていることが27日、捜査関係者への取材で分かった。4人は警視庁が過去に特殊詐欺事件に関与したとして窃盗容疑などで逮捕状を取得していた。
捜査関係者によると、4人のうち2人は渡辺優樹容疑者と今村磨人(きよと)容疑者。一連の強盗事件で、複数人が「ルフィ」と名乗り、拘束下で規則に反し通信機器を使用し、入管職員が黙認していた可能性もあるという。
これまでに警視庁などに逮捕された一連の強盗事件の容疑者の携帯電話の解析から、「ルフィ」と名乗る人物が実行役に指示を出していたことが明らかになっている。交流サイト(SNS)で高額報酬をうたう「闇バイト」を募集し、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で指示を出しているとみられる。ルフィは複数人いるとみられ、指示役はルフィのほかに「三ツ橋」や「キム」と名乗る場合もあった。
捜査関係者によると、フィリピンの入管施設に収容されている4人は、現地当局が2019年11月、日本に特殊詐欺の電話をかけた疑いがあるとして36人を拘束した事件に関与しているとみられる。