国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は26日、フィリピンのドゥテルテ政権が進めた「麻薬戦争」に絡む麻薬犯罪容疑者の超法規的殺害が人道に対する罪に当たる疑いがあるとして、主任検察官の要請に基づき捜査の再開を認めた。
ICCは2021年9月にいったん正式捜査を承認したが、フィリピンは同11月、同国が既に捜査しているなどとしてICCに捜査延期を要請。捜査は中断されたが、主任検察官が再開を求めていた。ICCは26日の声明で、フィリピンは十分に捜査をしていないと指摘した。
主任検察官はドゥテルテ政権発足翌日の16年7月1日からフィリピンがICCを脱退する前日の19年3月16日までに、多数の民間人が警察やその協力者に殺害された可能性があるとしている。(共同)