陸上自衛隊は27日、離島防衛を想定して米海兵隊と毎年度実施している共同訓練「アイアン・フィスト」を、大分県の日出生台(ひじゅうだい)演習場や鹿児島県の離島などで2月16日から3月12日まで行うと発表した。日本国内での実施は初めてとなる。中国の海洋進出や台湾情勢緊迫化を念頭に、日米の連携を強化し抑止力を高める狙いがあるとみられる。
陸自によると、長崎県佐世保市に拠点を置く離島防衛専門部隊「水陸機動団」や西部方面隊、沖縄県に駐留する米海兵隊の第3海兵機動展開部隊などから計約1700人が参加する。島嶼部の奪還を想定した水陸両用作戦の練度向上を目的に、統合火力誘導や着上陸、空挺降下、陸上戦闘などの訓練を計画している。
日出生台演習場を中心に鹿児島県の喜界島や徳之島、沖縄県の米軍キャンプ・ハンセンで訓練を行い、熊本県の高遊原(たかゆうばる)分屯地を航空拠点として活用する。
アイアン・フィストは平成17(2005)年度に始まり、これまで米カリフォルニア州で実施してきたが、今年度以降は米ハワイ以西で行う。陸自の担当者は「より運用に直結する実際的な訓練に発展させるため変更した」と説明している。