日産とルノーがトップ会談 資本関係見直しで詰めの協議

日産と仏ルノーのロゴ(ロイター)
日産と仏ルノーのロゴ(ロイター)

企業連合を組む日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の首脳は26日、オンラインで会談を開いた。ルノーが日産株の約43%を持つ今の資本関係を見直し、お互いの出資比率を15%で対等にする方向で協議。並行してルノーの電気自動車(EV)新会社への日産の参画についても話し合う。日産とルノーは大枠で合意しているとみられ、詰めの交渉となる。

出資比率の見直しとEV新会社への日産参画は同時に交渉している。両社は当初、昨年11月の合意を目指していたが、ルノーのEV新会社での日産保有の知的財産の扱いをめぐって議論が難航していた。

ルノーが知的財産の利用を一部制限できる譲歩案を提示したことに加え、仏政府が両社の出資比率の見直しを支持する方針を伝えたことで交渉が前進。両社は今後開かれる取締役会で決議し、最終合意を目指す。

日産は現在、ルノー株を15%保有しており、ルノーが保有する日産株を段階的に売却して15%にそろえる方針だ。ルノーが設立を目指すEV新会社には、日産が最大で15%出資する方向で検討している。

日産はフランスの法律によりルノーへの議決権がないが、日産への出資が40%未満に下がれば日産に議決権が生じる。ルノー優位の立場が見直されれば、日産の発言力が上がるとみられる。ルノーの株主である仏政府の方針に左右されにくくなる可能性もある。

26日の会談は当初、ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)らが来日する予定だった。関係者によると、交渉が順調なためオンラインでの会談となった。ロイター通信によると、両社は2月6日にロンドンで正式合意し、発表する見通しと報じている。(黄金崎元)

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