新型コロナウイルス感染で欠席した授業について、十分な救済措置をせず留年を決めたのは不当だとして、東京大教養学部理科3類の杉浦蒼大さん(20)が東大に留年決定の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は26日、訴えを却下した1審東京地裁判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した。
昨年9月の1審判決は、留年が決まったのは大学の処分ではなく、単位を取得できなかった結果で、司法審査の対象にはならないと判断。これに対し、東京高裁の渡部勇次裁判長は、留年処分と同様の不利益を受けているとの杉浦さん側の主張を踏まえ「現時点で訴えが不適法と断ずることはできない」と指摘した。
杉浦さんは取材に対し「1審と違い、中身について審理されるなら、うれしい」と話した。