自走式AIスーツケースが視覚障害者を道案内 日本科学未来館でお披露目、公道テストも

自走式のスーツケース型ロボットを使う全盲で技術者の浅川智恵子・日本科学未来館館長=26日午前、東京都江東区
自走式のスーツケース型ロボットを使う全盲で技術者の浅川智恵子・日本科学未来館館長=26日午前、東京都江東区

スーツケースのハンドルを握ると自動で動き出し周りの様子を説明―。視覚障害者を音声や振動で目的地に誘導する人工知能(AI)を搭載した自走式のスーツケース型ロボットが26日、日本科学未来館(東京)でお披露目された。初めてとなる屋外の公道での走行テストもした。

全盲で技術者でもある未来館の浅川智恵子館長が「出張の際にスーツケースが道案内してくれたら」と思い付いたのが、開発のきっかけだった。

市販のスーツケースを改造。上部に搭載したカメラやレーザーで、人や壁などの障害物の大きさや形を認識。安全に移動できるルートを自動で判別する。屋外では、人工衛星からの電波などのデータを照らし合わせて正確な位置を把握する。誤差は10センチ程度という。

ハンドルから手を離すと停止し、段差を乗り越えられるよう大きな車輪も付けた。重さは約25キロ。モーターやバッテリーが入っており、荷物は入れられない。

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