JR西日本 立ち往生の列車内に8時間すし詰め 雪道歩き、体震わせる乗客

寒波の影響で運休が相次ぎ、多くの乗客が列車内などで一夜を明かした。早朝、JR山科駅の改札を出る利用客ら=25日午前6時54分、京都市山科区(渡辺恭晃撮影)
寒波の影響で運休が相次ぎ、多くの乗客が列車内などで一夜を明かした。早朝、JR山科駅の改札を出る利用客ら=25日午前6時54分、京都市山科区(渡辺恭晃撮影)

強い寒気による雪の影響で、JR琵琶湖線の京都-山科駅間などで24日夜から複数の列車が立ち往生した。25日早朝のJR山科駅は、列車内や駅で一夜を明かした乗客らであふれ、疲れた表情を浮かべていた。

「すし詰め状態の車内で8時間。辛かった…」。山科駅周辺の地下通路に座って私鉄の再開を待っていた大津市の40代男性会社員は嘆息した。帰宅途中だった男性が京都駅から乗車したJR琵琶湖線の列車は、出発から数分後の24日午後7時ごろ線路上で停車した。「最初は、間もなく再開するだろうと深刻にとらえていなかった」

だが、定期的に「お待ちください」という車内アナウンスが流れるだけで、詳細な情報はなかった。帰宅ラッシュと重なり車内はすし詰めとなる中、体調不良を訴える人も。自身は昼食以降食事をとっておらず、周囲の乗客から菓子をもらい空腹をしのいだという。

停車から8時間以上経過した25日午前3時40分ごろ、ようやくJR職員の案内により乗客は降車し、山科駅を目指した。気温は氷点下で雪が降る中、他の乗客とともに線路上を20分ほど歩いて到着。男性は、京都市が配った保温シートにくるまれ朝を待った。

男性によると、山科駅に到着後はJR西日本からの情報や支援などはなく、地下通路で夜を明かす乗客らの姿が目立ったという。男性はJR西の対応について「線路を歩かせるなら、もっと早く判断できたのでは。アナウンスも誘導も的確ではなく、本当に乗客のことを考えているのか」と憤りながら、「体の節々が痛い。とにかく早く帰りたい」と疲れた様子で話した。

滋賀県草津市の30代男性工場作業員は、乗車していた列車が向日(むこう)町駅で停車し、約10キロ離れた山科駅まで3時間かけて歩いてきたという。「タクシー乗り場も長蛇の列で、コンビニでも(スマートフォン用の)モバイルバッテリーが売り切れるなど品不足。歩く以外になかった」

少しでも自宅に近づこうとスニーカーで滑る雪道を歩き、25日午前3時半ごろに山科駅に到着したが、列車の運転見合わせで足止めとなっている。男性は「寒い中を歩いて足が冷え切っている。ちゃんと帰ることができるか不安」と体を震わせながら話していた。

JR山科-京都駅間で停車した車両=25日午前7時42分、京都市山科区(渡辺恭晃撮影)
JR山科-京都駅間で停車した車両=25日午前7時42分、京都市山科区(渡辺恭晃撮影)

京都市災害対策本部によるとJR京都駅や山科駅で、立ち往生した列車から歩いて降りたり、帰宅手段がなくなったりした人に対し、駅周辺の地下通路を開放。約3100人が避難した。また市消防局など沿線の消防によると、乗客など10人以上が体調不良を訴えて救急搬送された。いずれも重症者はいないとみられる。

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