視点

一票の格差 不断の見直しを

判決後、記者会見に臨む弁護士の升永英俊氏(中央)ら=25日午後、東京・霞ヶ関の司法クラブ(鴨志田拓海撮影)
判決後、記者会見に臨む弁護士の升永英俊氏(中央)ら=25日午後、東京・霞ヶ関の司法クラブ(鴨志田拓海撮影)

衆院選の「一票の格差」について、最高裁が2回連続で「合憲」の判断を示した。改善の目安とされる最大格差が2倍を超えたという「数値」にとらわれず、人口比を正確に反映しやすい「アダムズ方式」を導入するなどした新しい区割り制度の合理性を、改めて評価したものといえる。

今回審理された令和3年選挙の最大格差は2・08倍だったが、最高裁はそもそも、「合憲」と「違憲状態」とを分ける数値的な基準を判決で示していない。最大格差が1・98倍で「合憲」とした前回平成29年選挙と同じ枠組みで行われていたことを重く見た形だ。

昨年12月には、令和2年の国勢調査の人口に基づきアダムズ方式で一票の格差が2倍未満になるよう区割りを改定し、小選挙区を「10増10減」する改正公選法が施行。この新たな区割りで実施される次回選挙も、「合憲」とされる公算が大きくなった。

ただ、これをもって司法府の立法府に対する態度が甘くなったかといえば、決してそうではないだろう。今後、アダムズ方式でも是正しきれないほど格差が拡大する状況となれば、当然、「違憲状態」がちらつく。

司法府の判断を受けて立法府が制度改革に動くさまから、「キャッチボール」にたとえられる一票の格差。新制度を着実に運用するとともに、不断の見直しを行うべきだとする最高裁からの「ボール」を国会は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。(原川真太郎)

令和3年衆院選は「合憲」 一票の格差最大2・08倍、最高裁判決

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