指示役「ルフィ」はフィリピンに滞在か 狛江事件1週間 組織全容解明急ぐ

東京都狛江市の住宅で大塩衣与(きぬよ)さんが殺害された強盗殺人事件の発生から26日で1週間。関東や広島、山口両県などで相次いだ強盗事件でも同一グループの関与が疑われることが次々と判明した。グループは過去に例をみない規模で全国で強盗を繰り返しているとみられ、「ルフィ」と名乗る指示役の存在が明らかになっている。このルフィが海外に滞在しているとみられることも25日、新たに分かった。警察当局は組織の全容解明に向け捜査を進めている。

「狛江の住宅が強盗に狙われているのではないか」

千葉県警から19日、警視庁に寄せられた、この情報によって発覚した狛江事件。情報提供の契機となったのは、12日に千葉県大網白里市で起きた強盗傷害事件で、県警が逮捕した三重県の自衛官の男(23)の携帯電話に、狛江事件の現場住所の記録が残っていたことだった。

そして、事態は狛江事件発生翌日の20日に急展開を迎える。昨年12月に東京都中野区で3千万円が奪われた強盗傷害事件に関与したとして警視庁が永田陸人容疑者(21)=金沢市=の身柄を確保。押収した携帯電話の記録には「狛江市」の地名や「欠員が出たら連絡する」とする、狛江事件につながる〝手掛かり〟が残されていた。

さらに、中野事件に関与したとして逮捕された4人のうちのメンバーが、広島市や山口県岩国市、東京都稲城市での強盗事件にも関わっていた疑いが浮上。狛江事件は、全国各地で起きた強盗事件とつながっていたことが分かってきた。

一連の広域連続強盗事件は共通点が多い。レンタカーの使用や、住人の在宅時や店舗の営業時間に襲撃して、住人や店主らを縛り金品の保管場所を聞き出すといった手荒な手口だ。

各地で逮捕された実行役の多くは若年層で、多くはツイッターやインスタグラムを通じて高額報酬をうたった闇バイトに応募したとみられ、中野事件で逮捕された4人も互いに面識がなかった。携帯電話を解析した結果、闇バイトに応募した後、「ルフィ」と名乗る指示役から連絡があり、秘匿性が高い通信アプリ「テレグラム」などで日時や場所、手口が指示されていたという。

警視庁が、すでに逮捕した男らの携帯電話の発信元の捜査で、ルフィがフィリピンのマニラに滞在していることも分かった。警視庁は、ルフィら指示役が入手した資産家に関する情報を基にピンポイントで標的を決め、実行役を動かしているとみている。

東京都渋谷区の貴金属店であった窃盗事件で逮捕された男3人が、少なくとも関東地方の5事件に関与したとみられることも判明した。ただ、現時点で犯行の手口は狛江事件などと異なることから関連性は不明だという。

グループは事件ごとに実行役を入れ替えて犯行を繰り返しているとみられ、強盗団の全体像はなお見えず、警察当局によるグループの実態解明が急がれる。

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