奈良市にある日本最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半)から国宝級と評される遺物が発見された。巧みな意匠が施された盾形の青銅鏡と国内最大の「蛇行(だこう)剣」。その生産技術の高さは研究者を驚嘆させる水準だったといい、中心被葬者は一体誰なのか、巨大円墳の位置づけを考える上でも今回の発見が大きな手掛かりになるとみられる。
「とにかく剣の長大さにびっくりした。どうやって打ったのか」
墳丘北東部分に張り出した「造り出し」で行われた発掘調査で昨年11月末、蛇行剣と盾形銅鏡が相次いで見つかった際、現場を担当する奈良市教育委員会の村瀬陸主務は類例のない副葬品に目を見張ったという。