ウクライナ侵攻に参戦するロシアの民間軍事会社ワグネルが東欧セルビアで戦闘員を募集し、長年友好的だったロシアとセルビアの間にすきま風が吹いている。同盟国ベラルーシを除けば、セルビアは欧州で最も良好な対ロ関係を維持するが、この問題でセルビアはロシアを非難。関係が悪化すれば孤立が深まるロシア側は火消しに乗り出した。
「違法だと知りながらどうしてセルビアに呼びかけるんだ」。ロイター通信によると、セルビアのブチッチ大統領は16日、地元メディアでこう述べ、ワグネルへの参加を呼びかけるセルビア語の広告をインターネット上で流すロシア側に強い不快感を示した。セルビアでは市民の海外での戦闘参加が禁じられている。
ワグネル創設者のプリゴジン氏は20日の声明で「セルビア人を募集していない」と主張。関係悪化を避けるため、セルビア側をなだめたい考えとみられる。(共同)