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わたつみの国語り 第5部

(2)海の彼方が駆り立てるノスタルジー 民俗学者・折口信夫が考える魂のふるさと

三重県・志摩半島の突端にある大王崎に立つ。民俗学者、折口信夫(おりくちしのぶ)(1887~1953年)がここで、海の彼方(かなた)の常世(とこよ)に日本人の魂のふるさとがあると着想した、その感慨を追想したかったからだ。柳田国男は対岸の伊良湖岬で、ヤシの実を拾って原初日本人がたどったルート「海上の道」の着想を得た。日本民俗学を築いたふたりに、最も重要な思想を与えた伊勢湾口とは不思議な土地だ。

断崖の上の灯台から見渡すと、目の前に体を包み込むように水が迫る。

伊勢といえば、民族を象徴する女神であるアマテラスを祭る伊勢神宮を考えないわけにいかない。「常世の波がしきりに打ち寄せる」場所だとして、アマテラス自身が伊勢を望んだのだと日本書紀は説明する。

第11代垂仁天皇の皇女、ヤマトヒメは近江、美濃と奉斎の適地を探して巡り、伊勢に来て女神は「ここがいい」と告げたという。

常世とは神々の故郷をあらわす概念で、民族が列島に来る前にいたであろう土地を抽象化したものだ。一定のリズムで繰り返し打ち寄せる波は、常世が送り続ける信号のようでもある。 折口は国学院大学を出て大阪・今宮中学の教師をしていた若き日、紀伊半島を踏破する旅に出た。大王崎での感慨を後に綴ったのが、以下の一節だ。

大王崎の灯台からみた太平洋。折口信夫はここで、海の彼方に日本人の魂のふるさとが感じた
大王崎の灯台からみた太平洋。折口信夫はここで、海の彼方に日本人の魂のふるさとが感じた

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