クラウド上にバーチャルなスパコン「富岳」 アマゾンと組んで成果普及

スーパーコンピューター「富岳」=神戸市中央区の理化学研究所計算科学研究センター(渡辺恭晃撮影)
スーパーコンピューター「富岳」=神戸市中央区の理化学研究所計算科学研究センター(渡辺恭晃撮影)

理化学研究所は24日、運用するスーパーコンピューター「富岳」が生み出した成果やソフトウエアなどについて、外部サーバーでデータの管理・分析などを行うクラウドサービスのアマゾンウェブサービス(AWS)を通じて利用できるようにするため、アマゾンウェブサービスジャパンと共同研究を開始したと発表した。

クラウド上にバーチャル(仮想的)な富岳を作るような取り組みで、来年度の前半を目標に研究開発環境を整備し、富岳で使われているソフトウエアなどが動くよう検証を進める。

基礎研究や企業などによる最先端の研究開発は富岳で、産業応用につながる製品開発などはAWSでそれぞれ行うというようにすみ分けた利用を想定しており、富岳の成果が広く普及して活用されることを狙う。

理研・計算科学研究センター長の松岡聡氏は「これまで基礎研究から産業応用が遠かったが、それがすぐにつながるよう、富岳とクラウドを連携していく」と意気込んだ。

AWSを通じて富岳の成果を利用したユーザーがさらに富岳での本格的な研究をするなど、双方向的に利用が拡大することも期待しているという。

富岳は計算速度を追求するだけでなく、社会課題の解決や産業競争力の強化につながる成果創出を目指し、使い勝手がよい実用的なマシンを目指して開発された。若手研究者や民間企業などを含む幅広い層が使えるよう、当初からクラウドの活用などで利用者の裾野を広げる方針を示していた。

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