統一選まで2カ月、首長選前倒し判断割れる 有権者の関心は

大阪府知事選の告示をはじめ、4年に1度の統一地方選前半戦のスタートまで23日で2カ月となった。基本は3~5月に任期満了となる首長と議員が対象だが、6月1~10日に任期が終わる市町村長らの選挙は、臨時特例法に基づき統一選に合わせて前倒しできる。堺市など該当する全国6市町村の判断は分かれたものの、有権者の関心をいかに高めるか、どの自治体も苦心しているようだ。

投票率向上狙い

「必ず投票率が向上する保証はない」。6月8日の任期満了に伴う堺市長選の日程を5月21日告示、6月4日投開票と決めた堺市選挙管理委員会。中井国芳委員長は昨年12月、統一選前半戦に前倒ししない理由をこう説明した。

選管によると、平成31年に当時の市長が不祥事により任期途中で辞職したことに伴い、統一選の2カ月後に単独実施された市長選の投票率は40・8%。その前の29年市長選に比べて約3・5ポイント下がった。

こうした経緯もあり、地域政党「大阪維新の会」市議団が投票率向上や経費削減を見込めるとして前倒しを要望。しかし選管委員4人のうち3人が反対した。中井氏は、単独実施なら有権者が施策への理解を深めることができ「おのずと投票率向上につながる」と主張。前倒しで見込まれる1億円超の経費削減額を上回る効果があるとした。

維新公認で令和元年に初当選した永藤英機市長が今年2月10日~3月15日に辞職すれば、大阪府知事、大阪市長との「トリプル首長選」になる可能性もあるが、永藤氏は今月10日の会見で改めて任期を全うする考えを示している。

堺市と同様、山梨県丹波山(たばやま)村も村長選を6月4日に単独実施する。担当者によると、仮に統一選後半戦に前倒しして新人候補が当選しても、任期満了の6月8日までは現職に給与が払われる。新村長就任は4月23日の投開票から1カ月半ほど先になり「村民の理解を得られない」と判断した。

埼玉県蕨(わらび)市は市長選の前倒しはしないが、公職選挙法の特例規定に基づき、任期満了(7月19日)に伴う市議選を市長選と同じ6月4日に行う。

経費節減を考慮

一方、首長選を前倒しして議員選と同じ4月23日に実施するのは1市2町。

石川県野々市(ののいち)市選管によると、旧野々市町時代を含め平成11~31年の計6回、首長と議員の選挙日程を合わせている。それでも23年の町長選と27、31両年の市長選は3回連続無投票に。直近2回の市議選投票率も40%台と低調で、統一選期間中の選挙意識向上などに期待し、今回も同日実施にすることにした。

また、選挙日程がずれていた宮崎県綾町の町長選、三重県朝日町の町長選も統一選の日程に合わせることを決めた。有権者の負担軽減や経費節減などを考慮したという。

元川崎市選管事務局長で一般社団法人「選挙制度実務研究会」の小島勇人代表理事は、統一選に合わせることで「選挙が活性化し、実務上も効率的に執行できる」と話す。一方、選挙日程を決めるのはあくまで選管だとして「各選管はその日程にした理由を丁寧に説明する責任がある」としている。

「統一率」は過去最低水準

全国の自治体で首長や議員の選挙を一斉に行う統一地方選。総務省によると今回、臨時特例法に基づき同一の日程で実施する割合を示す「統一率」(昨年12月1日時点)は27・43%で、過去最低だった平成23年の27・40%と同水準だ。

統一率は全国1788の都道府県や市町村、特別区(東京23区)のうち、今年3月1日~6月10日に首長や議員の任期が終わる自治体を対象に算出。特別区や都道府県、政令市の議員選が8~9割に達する一方、一般市長選は10・88%▽町村長選は13・28%▽知事選は19・15%-だった。

もともと昭和22年の第1回統一選は100%(米軍統治下の沖縄は除く)。その後、市町村合併や首長の任期途中での辞職、議会の解散などで任期がずれ、30年代に50%を割った。平成7年1月の阪神大震災発生に伴い、被災地の選挙が6月に延期されたが、11年から統一選への前倒しが可能に。それでも19年以降は20%台で推移している。

自民党内で過去に「再統一」に向けた議論があったが、首長らの任期を変更する必要があるため異論が根強く実現していない。(吉田智香、土屋宏剛)

会員限定記事会員サービス詳細