岸田文雄首相が23日、1年間の政府の基本方針を示す「施政方針演説」でひときわ力説したのが子供政策だった。内閣支持率が3割台の低空飛行が続く中で迎えた今国会では、防衛費増額のための増税方針を巡り野党による厳しい批判は必至で、厳しい局面が続く。国民生活に直結する子供政策は政権浮揚のカギを握る。
「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況だ」。23日、首相が施政方針演説で少子化への危機感と子供関連予算の倍増を訴えると、野党議員による「(対策が)遅すぎる」といったやじと、与党議員の拍手が交錯し、今国会の論戦激化を予感させた。
首相は今月4日の年頭記者会見で「異次元の少子化対策」を打ち出し、児童手当の拡充を柱に掲げた。支給額の増額や、支給対象者の所得制限の見直しを検討するが、「数兆円」(政府関係者)の新たな財源が必要とされる。