世界的なアニメの巨匠、宮崎駿監督の作品を織物で再現するプロジェクトが、フランス中部のオービュッソンで進んでいる。15世紀以来、タペストリー産業で栄えた町だが、最近は過疎化が著しく、後継者不足に悩んできた。日仏文化を融合する新しい試みで、伝統の技を世界に発信しようとしている。(オービュッソン 三井美奈)
「皿の質感」が勝負
20日、プロジェクト2作目となる「千と千尋の神隠し」の完成式典が行われた。会場の国際タペストリーセンターは立ち見が出るほどの熱気。作品は高さ3メートル、幅7・5メートルで、壁いっぱいに広げられると大きな拍手が湧き起こった。