バイデン米大統領がこの20日、就任から2年の折り返し点を越えた。この2年の実績の評価はコップに半分まで注がれた水の部分をみるか、空の部分をみるかで当然、異なる。この点、トランプ前大統領の政権との比較が意外と客観性があるかもしれない。
日本側でも最も気になる対外政策では、バイデン政権の「国際協調」をほめる向きが多いが、他方、ロシアのウクライナ侵略という戦争はトランプ政権下では起きなかった。米国の歴代政権が民主化に努めたアフガニスタンはバイデン氏による大混乱の撤退で完全な喪失となった。
中国の無法な膨張に初めて正面から対決したのはトランプ政権だった。バイデン政権もその基本を継ごうとはしているが、対中協力をも模索し、軍事面での対決を避けがちである。中国はその間隙(かんげき)を突くかのように台湾などへの軍事攻勢を強める。