新型コロナウイルスが国内で感染確認されて3年を経た。コロナ禍による影響はさまざまな分野に及んでいるが、社会は、現状に「うまく適応できた人」と「適応できない人」の二極化が進んでいる。コロナ禍に伴うデジタル化の進展が拍車をかけた形だが、大学に通う学生たちも大きな影響を受けた。友人らとのコミュニティづくり、学業、アルバイトなどを含めた新たな生活スタイルにうまく適応できない学生は少なくなく、支援は急務だ。その中で、学生のメンタルヘルス(心の健康)を可視化するシステムが開発され、複数の大学で導入されているという。その試みをみる。
抑うつ、社会不安など8領域
開発したのは、岐阜大保健管理センターの堀田亮准教授。学生の心理や精神状態を測定するものとして、米国で開発され、米国の750以上の大学で導入されている国際標準の心理指標「CCAPS(シーキャプス)」の日本語版を開発した。既に岐阜大では2020年2月から運用を始めており、今回は、学生がスマートフォンやタブレットなどで回答を終えると、結果を即時に伝えるウェブシステム「CCAPS-iQAS(アイキャス)」を開発した。