国際原子力機関(IAEA)は20日、東京電力福島第1原発の処理水を海洋放出する計画を巡り、原子力規制委員会の審査の妥当性を確認する2回目の検証作業を終えた。来日していた調査団のカルーソ原子力安全・核セキュリティー局調整官は「設備の使用前検査などが、国際的な安全基準に沿って適切に行われている」と評価した。
海洋放出に向けた規制委に対する検証作業は令和4年3月以来。IAEA職員と、米国や中国、韓国など計11カ国の専門家らが、今月16日から20日まで海洋放出の準備状況や放出後の海水の監視体制などを確認した。第1原発で建設が進む放出設備も視察した。
IAEAは、今回の検証結果を4月ごろまでに報告書にまとめる。また東電や経済産業省なども含めて処理水放出に関する包括的な評価をするため、年内に再び調査団が来日する予定。
規制委は4年7月に東電の放出計画を認可。東電は同8月から海底トンネルなど設備の本格工事に着手した。政府は今月13日、海洋放出の開始時期を「今年春から夏ごろ」に見込むと確認した。