【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領は20日、民主主義とルールに基づく国際秩序が21世紀最大の危機に直面したタイミングで就任2年を迎えた。議会に孤立主義の空気が増す中、専制主義勢力との戦いを決定づける強い指導力を維持できるか。バイデン外交は正念場を迎えている。
「次の6~8年に起きることが30~40年先の世界を決める分岐点にわれわれはいる。第2次大戦後に起きて以来の選択のときだ」。バイデン氏は15日、南部ジョージア州での演説で、民主主義と専制主義との対立が深まる現状を巡りこう訴えた。
その最前線は昨年2月にロシアが侵攻を開始したウクライナだ。2021年夏のアフガニスタンの米軍撤退に伴う大失態を乗り越え、制裁によるロシアの孤立化とウクライナの抵抗を支える軍事・経済支援に西側を結束させたことは最大の外交成果といえる。