ニュージーランド首相、辞任表明 「力を発揮できない」

19日、ニュージーランド・ネーピアで、涙をこらえながら辞任を表明するアーダン首相(AP)
19日、ニュージーランド・ネーピアで、涙をこらえながら辞任を表明するアーダン首相(AP)

【シンガポール=森浩】ニュージーランドのアーダン首相(42)は19日、2月7日までに辞任すると表明した。10月14日に実施される総選挙にも出馬しない見通し。アーダン氏は明確な辞任の理由を述べていないが、「十分な力を発揮できない」などと説明した。

記者会見でアーダン氏は任期中に気候変動対策などで成果を出したことを強調しながら、首相の仕事は「最もやりがいのある仕事の一つ」だと説明。その上で、「力が満タンの状態でなければまっとうできない。もう1期続ける方法を見つけたかったが、それは実現しなかった。自分も人間だ。できる限りのことをして(辞任の)時が来た、ということだ」と述べた。

アーダン氏は2017年に同国史上最年少の37歳で首相に就任した。首相就任後に長女を出産し、現職首相として世界初となる産休を取得した。また、新型コロナウイルス対策では、早い段階から厳格な都市封鎖に踏み切ると同時に、自宅から交流サイト(SNS)を通じて国民の質問に直接答え、人気を集めた。

一方、ここ1年ほどの間、物価高や凶悪犯罪の増加などの影響で、アーダン氏率いる与党・労働党に逆風が吹いている。昨年12月発表の世論調査で労働党の支持率は33%で、野党・国民党を5ポイント下回った。ロイター通信は、今回のアーダン氏の突然の辞任劇は「10月の選挙を前に労働党に体勢を立て直す機会を与えるだろう」と分析している。

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