
「東亜丸」(とうあまる)は大阪商船の保有した貨物船で、1939(昭和14)年7月に竣工した総トン数6732トンの新鋭船である。先の大戦では運送船として海軍に徴用、運用されて、1943(昭和18)年1月30日に南太平洋のソロモン諸島ギゾ島付近で空襲により損傷、沈没した。
2019年1月、ソロモン諸島ガダルカナル島のホニアラより乗り継ぎ、ムンダを経由し、ギゾ島に降り立った。ギゾはホニアラに次ぐ、ソロモン第二の都市であり、このエリアにも航空機を中心に多くのレック(沈船)が眠っている。
今回はその中でも「東亜丸」を紹介する。
東亜丸の船体は水深34メートルの海底に横倒しになっており、戦車や弾丸なども船倉部に残されている。なお飯野海運の高速タンカーである同名の「東亜丸」とは区別されている。
取材協力 旅行会社PNGジャパン(ホームページはこちら)
水中写真家・戸村裕行
1982年、埼玉県生まれ。海底に眠る過去の大戦に起因する艦船や航空機などの撮影をライフワークとし、ミリタリー総合誌月刊『丸』にて連載を担当。それらを題材にした写真展「群青の追憶」を靖國神社遊就館を筆頭に日本各地で開催。主な著書に『蒼海の碑銘』。講演、執筆多数。

雑誌「丸」
昭和23年創刊、平成30年に70周年迎えた日本の代表的軍事雑誌。旧陸海軍の軍
艦、軍用機から各国の最新軍事情報、自衛隊、各種兵器のメカニズムなど幅広
い話題を扱う。発行元の潮書房光人新社は29年から産経新聞グループとなった
。毎月25日発売。