陸軍中将、樋口季一郎(1888~1970年)はハルビン特務機関長だった昭和13年、独ソの弾圧から逃れてソ連・満州国境にたどり着いた多くのユダヤ難民を受け入れ、上海に逃がしました。救出総数をイスラエル側では2万人としています。
札幌の北方軍(後の第5方面軍)司令官在任中の18年、北太平洋のアッツ島の玉砕で将兵を失って苦汁をのんだ樋口は、キスカ島から約6千人の守備隊を撤退させることに成功。敵である米軍から「パーフェクトゲーム」と称賛されました。20年の終戦後にソ連が千島列島北端の占守島に侵攻した際には自衛戦を指示し、スターリンの野望から北海道を守りました。
ユダヤ人救出、キスカ島撤退、占守島の戦いの「3つの奇跡」を起こした樋口の生涯を神田蘭さんが6回にわたってお届けします。
第1話(第1話は登録なしでお聴きいただけます)