東北大学大学院准教授の東島雅昌氏(40)は本紙連載「民主主義の形」で、新型コロナウイルス禍への対応や公衆衛生に関するデータを基に、権威主義に対する民主主義の「体制の優位性」を強調した。同時に民主主義の利点をいかすためには、権力への制約が機能することが最も重要だと説く。日本に対しては政党間の競争の乏しさに懸念を抱く。
--世界の民主主義の動向を調査するV―Dem研究所の報告書では、「自由民主主義」の国・地域数が2012年の最大42から21年は34に減少した。報告書の分析をどう評価する
「自由民主主義の国・地域が減っただけではない。複数政党制のない独裁体制は東西冷戦終結後、減少していたが、過去約10年で増加に転じ、21年は前年から5も増えた。選挙を実施する『選挙権威主義体制』も冷戦後増え、21年は60に上った。世界の強権化は確実に進んでいる」