メタバース体験へVR機器続々 米CESにパナ、シャープなど出展

メタバース体験の最新機器も話題を集めた家電・IT見本市「CES」の会場=5日、米ラスベガス(AP)
メタバース体験の最新機器も話題を集めた家電・IT見本市「CES」の会場=5日、米ラスベガス(AP)

米ラスベガスで今月上旬に開催された世界最大級の家電・IT見本市「CES」には、インターネット上の仮想空間「メタバース」を体験するための仮想現実(VR)用の製品が多く出展された。パナソニックホールディングス(HD)が現実空間でも作業しやすいコントローラーを発表し、シャープも初めて試作機を展示。ゲームなどの娯楽だけでなく、業務用途も視野に各社がVR機器の開発を進めている。

パナソニックHD傘下のシフトール(東京)は、手で握らずに使える新型のVR用コントローラー「Flip(フリップ)VR」を発表した。VRコントローラーは、メタバース上などで体の動きを再現するのに必要だが、多くが手で握る形式のため、現実の空間ではほかの物を持つことができないという課題があった。

「FlipVR」は手の甲に装着し、手首をひねると操作パネルが自動で手の甲側に跳ね上がり、VR体験をしながら飲み物などの物をつかむことができる。楽器の演奏やキーボードの操作なども可能で、イベントや仕事などさまざまな用途での活用を想定する。

また、同社は昨年出展したメガネ型のVRゴーグル「メガーヌエックス」について、5・2Kの高解像度の有機ELディスプレーを搭載し、価格は24万9900円で3~4月ごろに発売すると発表した。担当者は「ゲームだけでなく、メタバース上でのデザイン制作などの業務でも使ってもらいたい」としており、ビジネス向けのモデルも発売を予定している。

シャープは重さ175グラムと大幅に軽量化したVRゴーグルの試作機を展示。ゴーグルに搭載したカメラによって、コントローラーがなくても手の動きを認識してVRコンテンツを操作することができる。気軽に利用できることを目指した点が特徴だ。製品化は未定だが、同社の担当者は「VRの市場は確実に育つとみており、早期に参入の検討を進めたい」と説明する。

CESではこのほか、台湾の宏達国際電子(HTC)が機能性を高めた新型のVRゴーグル「VIVE XR Elite」を2月に発売すると発表。ソニー・インタラクティブエンタテインメントもゴーグル「プレイステーション VR2」を2月に発売予定で、VR機器の競争が激しくなることが予想される。

りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「VR機器はゲームだけでなく、業務効率化のため仕事での利用が広がっている。市場の成長にあわせて企業の開発競争も加速するだろう」と話した。(桑島浩任)

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