京都市左京区の路上で京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん=当時(20)=が刺殺された事件は15日、未解決のまま発生から16年となった。現場では法要が営まれ、叡山電鉄出町柳駅(同区)で遺族らが事件解決につながる情報提供を呼びかけた。
法要には、仙台市から訪れた母親の淳子さん(63)や弟、大学関係者ら約30人が参列し、花を手向けて手を合わせた。
出町柳駅周辺では、友人らが作成した事件の漫画冊子約500冊と、容疑者の似顔絵や特徴を記したチラシ入りのポケットティッシュを通行人に配り、捜査への協力を求めた。
淳子さんは「大作が殺されてよいはずがない。被害者も加害者も生みだされない世の中になることを願う」と話した。また十七回忌を迎えた今年で現場での法要に区切りをつけるとの意向を示し、「これまで支えてくださってありがとうございました」と関係者らに頭を下げた。
事件は平成19年1月15日午後7時45分ごろ発生。大学近くの路上で千葉さんは胸や腹など十数カ所を刺され、死亡した。直前に千葉さんを怒鳴りつける男が目撃されており、京都府警は容疑者と断定した。これまでに延べ6万4181人の捜査員を投入。事件は公的懸賞金制度の対象で、1348件の情報提供が寄せられたが、有力な手がかりはない。