大相撲初場所は8日に両国国技館で初日を迎える。6場所全てで優勝者が異なった昨年同様、今場所も賜杯の行方は混沌としている。
その中でも、軸となるべきは大関貴景勝だ。一人横綱の照ノ富士が両膝を痛めて休場しているため、ただ1人の大関として負う責任は大きい。先場所は12勝3敗の優勝同点。序盤戦で取りこぼすことなく優勝争いを牽引し、横綱昇進の機運を高められるか。
関脇の若隆景、豊昇龍、高安は大関の座を狙う1年になりそうだ。23歳の豊昇龍は先場所11勝しており、2桁勝利を続けて昇進への足場を固めたい。関脇に陥落した正代が1場所で大関に復帰するために必要な10勝を挙げられるか、新三役の25歳琴ノ若がさらに飛躍を遂げるのかにも注目が集まる。
今場所は1横綱1大関4関脇4小結という極めて珍しい番付になった。佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)は「若手も伸びてきているし、相撲のうまさで上がってきている力士もいる。競い合えば良い番付ができるのでは」と述べ、突き抜ける存在が出てくることを期待した。(宝田将志)