キリンの首はなぜ長いのか。素朴な疑問として誰もが一度は考えたことがあるだろう。「高い場所の葉を食べられるから」と思いがちだが、必ずしもそれが答えではないという。ダーウィンの進化論から150年以上たった現在も決着していないキリンの謎は解明できるのか。最新の研究成果を踏まえて展望してみた。
100年前から3つの仮説
キリンはアフリカで誕生した哺乳類で、首の長さは約2メートルもあり、現存する生き物の中で最も長い。キリンを専門に研究する東洋大の郡司芽久(めぐ)助教(解剖学)によると、首が長く進化した理由として、主に3つの仮説が20世紀の初頭から提唱されてきた。それぞれ一定の説得力はあるものの、疑問点も抱えている。