フォーカルポイントという言葉をご存じですか? パッと見て最初に目がいく場所のことです。家のドアを開けたとき、玄関の飾り棚に花が生けてあったら来客の目線はそこに集中するように、フォーカルポイントには、空間のアクセントとして奥行きを出したり印象付けたりする効果があります。
年末年始は1年で最も来客の多いシーズンです。〝家の顔〟でもある玄関に少ない花材でフォーカルポイントを作り、すてきに演出してみませんか。
まずは花が引き立つよう、他のものはできるだけ片づけます。ポイントは高さと流れを出すこと。背の高い花瓶を選ぶと空間にボリュームが生まれます。
今回は、胡蝶蘭(こちょうらん)を黒い花瓶から前に垂らして生け、白と黒のコントラストを強調しました。胡蝶蘭の花と葉だけで十分華やかですが、上部に白い花やグリーンを置くのもいいでしょう。赤い実のサンキライなどを添えると、それだけでおめでたい雰囲気が醸し出されます。
玄関はその家の印象を決める大切な場所です。そこにフォーカルポイントとなる花を飾れば、新年を迎える準備は万全ですね。
(日本ホームステージング協会代表理事 杉之原冨士子)