指先よりも「小さな手」があれば、虫眼鏡でのぞくだけだった世界に入れるかも-。そんな好奇心から、立命館大などの研究グループが独自の触覚センサーを搭載したミリ単位の指型ロボットを開発し、動くダンゴムシを触って脚力を計測することに成功した。操作者の手指と連動する「マイクロフィンガー」と呼ばれる超小型機械で、近年研究が進み、医療現場などで活用が期待されている。ミクロの世界を追った。
一円玉を持ち上げるくらいの力
人の指を模した長さ12ミリ、幅3ミリのマイクロフィンガーが滑らかに動くと、触られたダンゴムシは蹴り返すように14本の足をバタバタと動かした。機械の指で触れるダンゴムシの動きや力は、対応する装置を付けた操作者の指に増幅されて伝わってくる。