ゼレンスキー・ウクライナ大統領の電撃的な訪米はどんな経路で実現したのか。安全上の理由で公にされている情報は少ない。隣国のポーランドまで鉄道で移動し、北大西洋条約機構(NATO)の全面的な協力で米ワシントンに飛んだことが欧州メディアの報道などから明らかになった。
ポーランドのテレビ局TVN24は現地時間21日、ゼレンスキー氏がウクライナ国境に近いポーランド南東部プシェミシルの駅で、車に向かう様子をとらえた。列車でプシェミシルに着き、そこから60キロほど離れたジェシュフの空港に移動したようだ。ゼレンスキー氏がツイッターに「米国に向かっている途中だ」と書き込んだのはこの頃だとみられる。
英紙デーリー・メール(電子版)などによると、ゼレンスキー氏はジェシュフで米空軍の要人輸送機C40に搭乗。C40はドイツから北海に抜け、英国上空を通過した。北海を越える際には、露潜水艦の攻撃に備え、ドイツの基地から発進した早期警戒管制機(AWACS)や、米空軍のF15戦闘機が護衛に当たった。
ゼレンスキー氏は米東部時間21日昼頃にワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した。(ワシントン 坂本一之)