朝晴れエッセー

絶対にいる・12月22日 

娘が小学校の2年のクリスマスの近づいたある年のことだった。仕事をしている私の部屋まで来て、「お父さん、サンタはいるの?」。うちのプレゼントは、毎年お菓子。ベッドにつるした靴下いっぱいにいろいろなお菓子を詰める。4つ上の息子にも同じプレゼントである。娘はこのお菓子が気に入らないのだろうか。

「サンタねぇー」と私。澄んだ目で答えを待っている。ちゃんと本当のことを教えないといけない。それが親としての仕事である。

「サンタはね。みんなの話だといるらしいよ。でも、お父さんとお母さんはまだ会ったことはないな。本当にいるなら会ってみたいなぁ。きっと、恥ずかしがり屋なのさ」

娘の目が優しくなる。そしてうれしそうに居間へ帰っていった。息子は小さいときから変わらず、クリスマスの日の朝にお菓子を無表情で食べている。何も言わない。不満なのか満足なのかすらわからない。

娘が中1のクリスマスイブの前の日に私たちにこう言った。「サンタに何をもらおうかなぁ」。仕方なく、こう言った。「サンタはお菓子しかくれないよーだ。欲しい物はお年玉で買いな」。娘の目が優しくなる。そしてとてもうれしそうにしていた。息子はその隣で私たちを横目で見てほくそ笑んでいた。

私はサンタを見たことはない。しかし、ちまたではサンタはいるという。いるならぜひ会ってみたい。そんな娘も今嫁いで2歳の子供がいる。ハテサテどんな風に教えるのか。楽しみだ。


竹内博和(60) 東京都府中市

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