まもなく生産終了となるホンダのスーパースポーツ「NSX」に、あらためて大谷達也が試乗した。そして、ホンダのスポーツカーの将来を考えた。
毎日乗りたいと思わせるスーパースポーツカー
ホンダNSXに試乗した。
タイプSじゃない“普通のNSX”だけれど、生産終了が間近に迫っているだけに、NSXは“いつ、また乗れるとも知れぬ存在”になりつつある。
そうでなくともNSXは私の大好物。“乗ってくれ”と、言われればいつでも喜んで試乗するし、乗るたびに新たな感動なり発見があるのがNSXというクルマの特別なところ。今回も、試乗しているあいだに、なんだかいろいろなことを考えてしまった。
そんな、私の心を走馬燈のように駆け巡っていった“NSXへの思い”については後述するとして、まずは試乗した印象を綴っておこう。
試乗車は、限りなく純白に近いホワイトに塗装されていた。ちなみに、このボディカラーは「130Rホワイト」と呼ばれているそうだ。130Rといえば、泣く子も黙る鈴鹿サーキットの名物高速コーナー。そんな名前をボディカラーに使うなんて、ホンダさん、ずいぶんと泣かせてくれますねぇ。
ただし、普通に街中を走っている限り、NSXはそんなレーシーな雰囲気を微塵も感じさせない。スーパースポーツカーにしては長めのサスペンションストロークが路面のうねりを鷹揚に吸収してくれるので、乗り心地は快適そのもの。