メッシが笑い、ネイマールが泣いたPK戦 南米の両雄、明暗くっきり

試合に勝利し、喜びを爆発させるアルゼンチンのメッシ=ルサイル競技場(蔵賢斗撮影)
試合に勝利し、喜びを爆発させるアルゼンチンのメッシ=ルサイル競技場(蔵賢斗撮影)

【ルサイル(カタール)=奥山次郎】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、アルゼンチンのメッシが笑い、ブラジルのネイマールが泣いた。南米のサッカー大国を引っ張る両エースが9日に臨んだ準々決勝はともに同点のままPK戦へもつれ込み、アルゼンチンはオランダを下し、ブラジルはクロアチアに屈した。フランス1部パリ・サンジェルマンのチームメートでもある両雄の明暗はくっきりと分かれた。

PK戦の末にクロアチアに敗れ、涙を流して引き揚げるブラジルのネイマール(右)=エデュケーション・シティー競技場(AP)
PK戦の末にクロアチアに敗れ、涙を流して引き揚げるブラジルのネイマール(右)=エデュケーション・シティー競技場(AP)

ピッチではともに輝きを放った。メッシは前半35分、DFラインの裏へ抜け出したモリナへスルーパスを通して先制点をおぜん立てし、後半28分にはPKも決めた。一方のネイマールも延長前半ロスタイム、チームメートとのパス交換から中央を突破し、0-0の均衡を破る値千金の先制点を奪ってみせた。

そろって節目のゴールだった。メッシのゴールはW杯通算10点目で、1998年フランス大会で日本を沈めるゴールも奪ったバティストゥータと並んでアルゼンチン史上W杯最多得点者となった。ネイマールのゴールは代表通算77得点目で、サッカーの王様・ペレと並んでブラジル代表史上最多得点者となった。

しかし、PK戦の結末は対照的だった。メッシは殊勲のGK、E・マルティネスらと歓喜の輪を作り、8万8235人の観衆の大半を占めたアルゼンチンサポーターと喜びを分かち合った。対してネイマールは敗退が決まるとピッチにあおむけに倒れ、涙を隠すように顔をユニホームで覆った。4万3893人が詰めかけたスタンドでは、20年ぶりの世界一を信じていたサポーターが悲嘆に暮れていた。

5度目のW杯が続くメッシは「ベスト4に入り、国民は熱狂に満ちている。私たちはこの瞬間をここで、そしてアルゼンチンで楽しんでいる」と喜びを爆発させ、3度目のW杯が終わったネイマールは「代表に戻ってくることは保証できない。可能性を閉ざすつもりもないが、家族とともに多くのことを熟考する必要がある」と肩を落とした。

ともに勝てば13日の準決勝で、W杯では1990年イタリア大会決勝トーナメント1回戦以来となる両国の直接対決になるはずだった。同時に世界中のサッカーファンが心待ちにしていたのは、かつてはスペイン1部バルセロナで、現在はパリ・サンジェルマンで盟友関係にある両雄の激突。ドリームマッチはまたしても実現しなかった。

アルゼンチンが4強入り オランダをPK戦で破る

前回準Vクロアチアが4強 PK戦の末、ブラジル破る

会員限定記事会員サービス詳細