「トリプル選」回避の堺市選管 「投票率向上の保証ない」

記者団の取材に応じる堺市選挙管理委員会の中井国芳委員長=10日、堺市役所
記者団の取材に応じる堺市選挙管理委員会の中井国芳委員長=10日、堺市役所

来年6月の任期満了に伴う堺市長選について、市選挙管理委員会は10日、来春の統一地方選に合わせた前倒しはせず、5月21日告示、6月4日投開票の日程で行うと決めた。地域政党「大阪維新の会」は投票率向上が期待できるなどとして、統一選と同じ日程での実施を要望していたが、中井国芳選管委員長はこの日の会合後、記者団に「必ず投票率が向上するという保証はない」と述べた。

会合では市議会の維新、公明、自民、立民系の4会派が推薦した選管委員4人が日程を協議。4人のうち3人が単独実施を支持し、6月4日投開票と決めた。

中井氏は、堺市長選を単独で実施した場合「重要な施策について有権者が理解を深めることが期待でき、おのずと投票率につながると考えられる」と説明。有権者にとって、統一選との同日実施で見込まれる約1億1千万円の経費削減効果を上回るメリットがあるとの見方を示した。

維新市議団は、投票率向上や経費削減などを理由に、大阪府知事選と大阪市長選(いずれも来年4月9日投開票)と同じ日程での実施を要望していた。一方、「トリプル選」になれば堺市内の有権者は大阪府知事、府議、堺市長、堺市議の4重選に投票することになり、投開票事務の集計ミスや遅れなどが懸念されていた。

維新公認で当選した現職の永藤英機市長の任期満了は来年6月8日。

堺市長選、知事選と大阪市長選の「トリプル選」回避 6月4日に投開票

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