ロシアの核威嚇巡り応酬 広島で国際賢人会議開幕

国際賢人会議で流されたオバマ元米大統領からのビデオメッセージ=10日午前、広島市
国際賢人会議で流されたオバマ元米大統領からのビデオメッセージ=10日午前、広島市

核保有国と非保有国双方の有識者らが「核兵器のない世界」実現の道筋について議論する「国際賢人会議」が10日、被爆地の広島市で開幕した。会議は岸田文雄首相が提唱したもので、来年5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、核軍縮の機運を高めたい考えだ。会議では、ロシアがウクライナ侵攻で行った核による威嚇への批判が集中し、露の出席者が反発する一幕もあった。

首相は開会のメッセージで「厳しい現実を踏まえながらも理想に近づいていくために、どう動くべきか方策を示してほしい。核兵器廃絶の重要な一歩となることを望む」と呼びかけた。

オバマ元米大統領もビデオメッセージを寄せ、「子孫のため、核兵器のない世界を追求しなければならない」と強調した。平成28年に現職米大統領として初めて広島を訪れたことにも触れ、「決して忘れられない。世界中の核兵器の脅威を減らすという自身の決意を強くした瞬間だった」と振り返った。

会議では岸田首相らが、ロシアによる核威嚇を「断じて受け入れられない」などと批判。国連のグテレス事務総長は「冷戦後、これほどあからさまな核使用の脅しを耳にしたことはなかった」と懸念を示した。

こうした発言に対し、露エネルギー安全保障研究センター所長のアントン・フロプコフ氏は「正しくないものが含まれていた。とりわけ露が核を使うとウクライナを威嚇しているという点だ」と反発した。

会議の委員は日米露や中国、ドイツなどから選ばれた15人。首相は当初、10日の出席を予定していたが、国会日程の影響で11日に参加する。

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