11月、重い心臓病と闘う2人の少女が相次いで米国での心臓移植を目指すことになり、両親らが募金への協力を呼びかけた。脳死下の臓器提供が可能となった臓器移植法施行から今年で25年。提供要件が緩和され15歳未満の子供からの提供が認められた改正法施行からも12年が経過したが、世界的に見ると国内の臓器提供者(ドナー)は極めて限られている。「生きたい」。あまりにも当たり前のことを望む彼女たちのために何が必要なのだろうか。
ささやかな願い
「私はできることを頑張りますので、助けてください」。渡航を目指す一人、五十嵐好乃(いがらし・この)さんは、募金開始を伝える会見に病室からオンラインで参加し、こう訴えた。今月8日に11歳となった好乃さんの願いは「学校へ行きたい。友達に会いたい。ママの作った料理を食べたい」。小学5年生のささやかな願望だ。