「戦」争、飛「躍」、「銃」撃…激動の1年 12日発表の「今年の漢字」は

日本漢字能力検定協会(京都市)が12日、恒例の「今年の漢字」を発表する。清水寺で森清範(せいはん)貫主が力強く揮毫(きごう)する光景は年末の風物詩だが、どんな漢字が今年の世相を表すのか、予想は人によって大きく異なる。歴史的なニュースが国内外で続いた令和4(2022)年、ふさわしい一字は何か。

滑り込み栄冠、「惜」敗や飛「躍」を推す声

サッカー・ワールドカップ(W杯)で盛り上がるカタールの首都ドーハ。下馬評を覆した日本の奮闘の余韻が残る中、神奈川県平塚市の医師、加藤忍さん(57)は「惜」を選ぶ。理由は「サムライブルーがあと一歩でベスト8進出を逃したという悔しさから」。妻で麻酔科医の彩さん(51)は「躍」を推す。「日本代表の飛躍や躍進を感じた」と話す。

今月1日に年間大賞などが発表された「ユーキャン新語・流行語大賞」では、タイミングの問題でW杯関連の言葉はノミネートされなかった。今年の漢字の募集締め切りは、日本の1次リーグ突破決定後の5日。W杯関連の漢字の食い込みを期待するサポーターは少なくなさそうだ。

世界史の出来事、露の「侵」攻

日本ウクライナ文化交流協会(大阪府八尾市)の小野元裕会長(52)が挙げたのは「侵」。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を理由に「国土が侵されているだけでなく、人の心や自由が今も侵害されていることの意味も含んでいる」と力を込める。

侵攻開始からまもなく10カ月。親交のあるウクライナの土地や友人に思いをはせた小野さんは「ネガティブな意味の漢字は選ばれてほしくはないが、世界史の中でもものすごく大きな出来事だ」と述べた。

金メダルや金字塔の「金」、複数の意味込める例も

7月に奈良市で起きた安倍晋三元首相=当時(67)=の銃撃事件のインパクトも大きい。事件後に現場で献花した奈良市の主婦(51)は「銃」を選び、「忘れてはいけない事件。容疑者が銃を自作したとのニュースも怖かった」と振り返った。

ちなみに令和3年の今年の漢字の「金」には、金メダルや金字塔、給付金といった複数の意味が込められていた。傾向は今年も変わらないとみられ、W杯やウクライナ侵攻などの印象から「戦」「弾」「撃」が妥当と考える人も多いようだ。

これに対し「一字に絞れない」と述べたのは、来春の任期満了で政界を引退する大阪市の松井一郎市長(58)。元首相銃撃事件や日本中に勇気を与えたW杯などを列挙し、「今年は印象的な出来事が多くて…」とこぼした。

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