【ロンドン=板東和正】チャールズ英国王(74)の次男ヘンリー王子(38)が8日公開の米動画配信大手ネットフリックスのドキュメンタリー番組で、英王室に「(人種に対する)大きな無意識の偏見がある」と非難した。アフリカ系の血を引く妻、メーガン妃(41)への人種差別的な報道があった際も王室が対応に非協力的だったと強調した。王子の告白は、王室の支持を低迷させる可能性があり、国王との関係が悪化するとの見方もある。
番組の撮影は、夫妻が2020年春に王室の公務から引退した約1年7カ月後から開始。夫妻は王室の課題や夫妻への過熱報道などについてインタビューに応じた。全6話で、8日は最初の計3話が世界中で公開された。残りは15日に公開予定という。
8日の内容では、王室のメンバーが17年、バッキンガム宮殿のクリスマス・ランチに黒人の特徴を誇張して表現したブローチを身に着けて出席したことを紹介。ランチには当時、王子と交際中だったメーガン妃も出席しており、「人種差別的だ」とインターネット上で批判を浴びていた。王子は番組で、王室にある「無意識の偏見」を指摘した上で「偏見は誰のせいでもないが、正す必要がある」と訴えた。