老舗パスタ製造会社の製麺機が約90年の歴史に幕―。千葉県柏市の「ニューオークボ」は9日、工場内でのパスタ作りの様子を公開した。本場イタリアからやって来た機械は来年にも引退予定で、静かに麺をはき出す姿に従業員らは温かいまなざしを向けていた。
1933年に前身会社の社長だった故大久保仙七さんが、パスタを日本に普及させたいと一念発起して輸入した。鉄製で高さ約3メートル、臼のような部分に材料を入れて上から押し出す。週6日のペースで連日稼働し、多くの人に愛される同社のパスタを生み出してきた。
輸入当時からの高圧でプレスする製法を守り続け、今もこの作り方の麺は日本で唯一だという。
来年中に新工場を開くタイミングで役目を終える。川野裕介社長は「長年よく頑張った。日本にパスタを広めた立役者だ」とねぎらった。今後、同社で一般向けに展示する予定だという。