<独自>10年後に「遠方で脅威阻止」 「安保3文書」骨子案判明

首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

政府が月内に閣議決定する「国家安全保障戦略(NSS)」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の「安保3文書」の骨子案が9日、判明した。防衛力の抜本強化に関し、10年後までに「より早期かつ遠方で侵攻を阻止・排除」する能力保有を目指す。令和5年度から5年間の防衛力整備経費約43兆円のうち、継戦能力を高めるため、弾薬・部品の補充を柱とする「持続性・強靭(きょうじん)性」は現行「中期防衛力整備計画」(中期防)の2・5倍の約15兆円を確保し、現有装備の有効活用を図る。

中国や北朝鮮を念頭に、脅威の「能力と戦い方」に着目し、防衛力を抜本強化すると明記。9年度までに日本が「主たる責任をもって対処し、阻止・排除」することを目指す。5年間の最優先課題として部品不足などで稼働率が落ち込んでいる装備品をフル活用できる態勢を整備する。

また、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を進め、10年後までには「必要かつ十分な数量」の長距離ミサイルを確保する。「遠方での侵攻阻止」は、こうした能力を踏まえた防衛目標として位置付ける。

「持続性・強靭性」強化に向けた15兆円のうち、「弾薬・誘導弾」の補充に約2兆円を確保。このほか、部品不足を解消するための「装備品等の維持整備費・可動確保」に約9兆円、敵のミサイル攻撃から自衛隊の戦闘機を防護する格納施設などの整備を念頭に置いた「施設の強靭化」は約4兆円を事業として盛り込む。

安保3文書改定では「防衛計画の大綱」と中期防を防衛力整備計画にまとめ、整備計画の上位文書として「国家防衛戦略」を新設。大綱と中期防で基幹部隊と装備の数を記載していた「別表」は整備計画に盛り込む。長射程ミサイルや無人機など防衛力強化の「7つの柱」に沿って来年度以降5年間に調達する装備品の一覧を記載。さらに、約10年後の防衛力の目標水準を示す別表も作成する。

一方、自民、公明両党は9日、国会内で安保3文書に関する実務者ワーキングチーム(WT)を開催し、骨子案について協議。中国を巡る情勢認識で意見集約には至らなかったため、10日も引き続き協議する。

地対艦ミサイル部隊増強 陸自2千人が海空へ 安保3文書骨子案判明

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