ロンドンの甃

空気の読めない政党

英国で与党保守党の支持率が低迷している。スナク政権は財政再建策を示して信頼回復を図ったが、物価高騰を受け、賃上げを求めるストライキが頻発。11月末時点で野党労働党に支持率で20ポイント以上も差をつけられたままだ。厳しい目が注がれる中、一人の保守党議員の醜聞に国民の怒りが集中した。

ハンコック元保健相が議会開会中に、ジャングルなどの過酷な環境で共同生活をするリアリティー番組に出演し、40万ポンド(約6700万円)の出演料を得たと報じられた。国民は政治活動の軽視だとして激怒。与野党からの非難を受け、次期総選挙に出馬しない見通しだ。

ハンコック氏は番組出演中に経済失政で辞任に追い込まれたトラス前首相を「彼女の政治家としてのキャリアは終わった」と批評し、失笑を買っていた。

「彼は愚かな上に〝空気の読めない〟人だ。スキャンダルを連発する今の政党も同じだ」と英市民は吐き捨てる。事実、生活に困窮する国民が政治への不信感を強める中、保守党では閣僚のパワハラ行為が明らかになるなど不祥事が続く。

以前、食事を共にしたある元保守党議員は「保守党が次期総選挙で勝つのは難しいかもしれない。国民の心が離れすぎた」と終始、頭を抱えていた。国民の信頼を取り戻す道は険しそうだ。(板東和正)

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